天を衝く槍


―—なんで


不意に、私の頭の中にポンっと疑問が浮かんだ。


「……………………………」


なんで、そんなことを言うんだろう。


彼らが話さなければ、私たちは知らないままなのに。


知られたくないことなら、黙ってれば済むのに。


「なんで俺らにそんなことを話すんだ?一緒に闘って欲しいからか?」


そんなことを思ったのは私だけではないらしく、ラガーが言い、ヨースケが怪訝な表情を浮かべていた。


だけど、フィーネさんは心底驚いたように目を見開いた。


「まさか。これは僕たちの問題だから」


「じゃぁ、なんで…」


「なんでだろうね?ただ、知っておいて欲しがっただけなのかな。理不尽かもしれないけど、もし僕たちが負けたら――」


「そんな可能性はありませんよ。微力ながら私も共に戦わせてください」


気付けば、私はフィーネさんの言葉を遮ってそんなことを口走っていた。


当然、彼は驚いた。


だけどすぐに綺麗に微笑んだ。


その言葉は嘘じゃない。


彼らが戦うと言うのなら、私も戦う。


仲間だから。
< 244 / 294 >

この作品をシェア

pagetop