天を衝く槍
15.聖戦
――月光歴218年2月16日


それから半年後。


時間というものは早く進み、あれだけ時間があったはずなのに、もうその当日になっていた。


冬のせいか、吹き付ける風が痛い。


この戦いのルールは聞いた。


AliceのリーダーとLunaのリーダーのデスマッチの最中、各々が敵全員を倒すこと。


味方のリーダーがその死闘を制さなければ、聖戦は12年後の次に持ち越される。


つまり私達がLuna全員を倒しても、フィーネさんが倒されたら意味がないのだ。


一番手っ取り早くて確実なのは、敵を全て倒せば聖戦は終わるということ。


判定を決める人はいないが、私達には端末があるし、LunaはLunaで互いがどこにいるのだとか、生死が分かるのだという。


なんて非現実的なんだ。


いや、私もこんな体してるから、一般人からしたら非現実的なんだろうけど。


いやいや、今はLunaが引き連れてくるらしいウサギの効率的な倒し方を考えないと。


あ。


それはそうと、私も聖戦に出ると宣言した後、待ってましたとばかりにラガーやアル、ヨースケ、それにリャノまでが聖戦に出ると言った。


そのことはいつの間にかセルペンテ全体に広がっていて、あの人が行くのなら私も、というように便乗する人が増え、結局はこの部隊全員が参戦することとなった。


私を含め、総勢17人。


そして私たちは今、聖戦という名の戦場に立っている。
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