天を衝く槍
「……わたし…もっとヨースケに酷いことしたんですか…」
混乱から出た私の言葉は、消えそうにこの部屋に漂う。
「いいや」
彼は私の右側にイスをを持ってきて、そこに座った。
じゃぁ、あれは私がして、他にも忘れてる…?
私が忘れてることはなに?
思い出そうとすると、頭が痛くなる。
ズキズキと痛む。
思い出したくないから、こうなるのだろうか。
私にとって、思い出したくないこと…って。
「…………………………」
嫌だ。
聞きたくない。
だけど。
私の中で生まれる意味のない矛盾。
単刀直入に聞けない臆病な自分。
「……ヨースケの傷…」
何故か、布団にポタリとしずくが落ちる。
「私がやったの?」
「…そうだね」
「何故?」
私は泣いていた。