天を衝く槍
「うわ、そんなんよう食えるなぁ」
アルがから揚げ定食、私がチキンスープとパンを口にしている時、ヨースケがアルを見て言った。
「だって、治ったし、お腹すいたし」
「それもええが……まぁ…」
アルが口を尖らせ、ヨースケは、まぁいいかと言うように首に手を当てた。
「アル」
そしてニヤニヤしながら嬉しそうにアルを呼ぶ。
アルが怪訝そう……いや、気持ち悪いものを見るような目でヨースケを見る。
「ジルが起きたで」
彼女はそれを聞いて何も言わずに、食堂から出ていき、ジルの病室へと走って行った。
「………………………」
「………………………」
「……この食べかけ、どうするんやろな」
ヨースケがアルが走って行った方へ見遣り、ポツリと言った。