天を衝く槍
彼は一人部屋の和室で、荷物が綺麗に整理整頓してあった。
ジューシローは靴を脱いで部屋の奥に行き、タンスから着物を取り出す。
私は彼と同じように靴を脱いで上がる。
「脱いで」
「へっ!!?」
突然のクールな彼らしからぬ言葉に私は素っ頓狂な声を出した。
――ぬ、脱ぐ?
服を脱げっていうことだろうか、それとも靴下を脱げっていうことだろうか。
と、とりあえず、何もしなかったら怒られそうなので靴下を脱いでみる。
「………………」
ちらりとジューシローの方を見ると、彼は腕を組んで気怠そうに私の行動を見ていた。
……っていうか、見ていたっていうより監視していたって言う方が正しんじゃないか?
なんなんだろう、この。
悪いことしてないのに、何故か悪いことをしているような気分。