天を衝く槍


「それよりコウガ、さん付けとか他人行儀やけ止めろやー」


「いや、そんな恐れ多いですよっ」


私は全力で遠慮する。


「いーじゃん、別に呼び捨てでも。堅苦しいやっちゃなー」


「あ、じゃぁ、遠慮なくヨースケって呼びます」


「切り替え早いな!」


ギルが吠えた。


「ついでにジューシローも呼び捨てで良いやん」


「いや、私はシロさんって呼びたいです!」


「なんやソレ!!?」


「いや、ジューシローさんの名前が某漫画のキャラに似てるんで…」


「………………」


私がそう言うとジューシローさんが眉を顰めた。


「……マンガ…?」


「初耳やな」


ギルとヨースケは顔を見合わせ、訝しい表情をする。


「あ、いや、知らないのならいいんです!」


説明してもきっと分かってくれないままだと思うし。


因みにそのキャラは幼馴染から「シロちゃん」と呼ばれている。


流石に私がジューシローさんをちゃん付けで呼ぶのは如何なものかと思い、さん付けにしたのだ。



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