天を衝く槍


地面を蹴った途端に景色は変わった。


次々と建物や草が過ぎ去って、勢いよく風が私をなでる。


まるで急斜面をチャリで下っている時のようだ。


そして速度が遅くなって止まる前に、建物が迫ってきてしまった。


―—え、嘘!!?


方向転換とか色々考えて止まればよかったのだが、そんなことを考える暇などなかった。


「ぅぎゃうッ」


そして私はベシャッとその建物に激突したのだった。


建物は頑丈で私も頑丈だったので、その二つが壊れることはなかったが、鼻血が出た。


その鼻血が止まった頃に、ジルとリャノが笑いながら来て、そして三人で任務の場所を目指したのであった。



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