天を衝く槍
「歩きながら話そうか」
彼はそう言って足を進め、手元にある書類に目を通す。
彼はAliceの中で割と高い位にいて、ウサギを倒す部隊に指示する司令塔らしい。
「……えー…と、使うのは槍で本当にいい?」
目線を私に移して、彼は真剣な顔をした。
「はい」
一応、剣や銃とかの講義も受けて実践で扱ってみたけれど、槍が一番しっくりきたのだ。
因みに武器の講義を受けれるのは、Aliceからの合否通知が来てから。
一昔前までは馬鹿みたいに平和だったので、その状態を続けるようにと、国際機関とは異なる、世界の最高機関が全ての国に『警察、軍隊及びその類以外の人民が武器を使用、または保持することを禁じる』という命を下した。
その為、武器は限られた人にしか使用が認められないのだ。
外に出ると、車が何台か停めてあった。
「じゃぁ、僕らのことについて話そうか」
彼はそう言うと、一つの車のドアを開けて私に入るよう促した。