天を衝く槍
それから何日か過ぎ、私たちは目的地まであと少しというところまで来ていた。
ここにたどり着くまで、私は壁に激突したことを生かして飛ぶのが上手くなった。
それも格段に。
まぁ、それはいいとして。
「おぉぉう……寒ッッ」
私達はこの寒さに悲鳴を上げていた。
「ジルさんジルさん、この寒さ何とかなりませんかぁぁあ」
私は今にも死にそうな声で言うが。
「おっかしーな…もうすぐロッジが見えるはずなんだけど」
私のことは聞いてないフリをして、ロッジを探すジル。
その時、誰かがガシッと私の肩を掴んだ。
「きゃぁ!!?」
「あぁぁぁ……ばぁちゃんが見えるる…」
誰かと思って見ると、黒い顔をゲッソリとさせたリャノだった。
そしてそのままズルズルと倒れてしまった。
「リャノさんが倒れたーっ」
私はパニックになる。
――え、え、えと、こういう時どうすればいいんだっけ?
人工呼吸?心臓マッサージ?AED?
あ、AED持ってないや。
「り、リャノさんしっかりー!!!目ぇ開けてェェエ!!!」
とりあえず頬をバッシンバシン叩いてみる。
「…………………」
――は、反応がない。ただの屍のようd