天を衝く槍
戻ってからは報告書を書いて提出した。
これが私にとって大変だった。
誤字・脱字は勿論のこと、報告は最低でも25行以上でなければならない。
国語…というか、作文が苦手な私にとってはむせかえるウサギの血だまりにいる方より、こっちの方が辛かった。
しかもそれは帰ってきてから12時間以内に提出しなければならないときた。
一生懸命に考えても70字程度しか書けない私は、我ながらある意味スゴイ方法を思いついた。
2文字で改行すればいいのだ。
そうすれば25行は優に越えるし。
だが、読み返してみると、自分でも落胆するほどの小学生レベルの作文だったことに気づく。
「…………………」
暫く眺めて、私は意を決したようにそれをソンジュさんの元へ持っていったのだった。
勿論のこと、彼は私の報告書を見るなり鳩が豆鉄砲を食らったような表情を見せ、困ったように笑った。
2文字じゃなくてせめて10文字にして、と。
そしてやり直しになった私は、残り時間が少ないことに気づき、急いで思いつくままに書き出したのだった。
そうすると書き終えた時には、不思議なことに10文字の25行以上にまでなっていたのだ。
…まぁ、内容は飛び飛びで悲惨だが。
綺麗に文章をまとめたい気持ちは山々だったが、時間がないのでそのまま提出したのだった。