天を衝く槍


シロさんが食堂のドアを開けると、ジルやギルたちがクラッカーを鳴らして、彼の誕生日を祝った。


彼は照れくさそうにしながらも、プレゼントを受け取り、ケーキの上に立てられた22本のローソクを消していた。


―—22歳なんだ…


てっきり私より年下なのだと思っていた。


……なんかあどけない感じがするっていうか。


年の割にそんなに老けてないっていうか。


背が思ったより低いっていうか。


……って、こんなこと失礼か。


なんて思ったその後は、はしゃいで飲んで食べて、はしゃいで飲んで食べて…の繰り返しだった。


そして今回の誕生日パーティーで気づいたことが4つ。


1つ目はさっき言ったように、シロさんが22歳だったこと。


2つ目はジルが来月の31日でシロさんと同じように22になること。


そして実は、セルペンテには40代の人がいないのだ。


注射したから50歳まではここで働かなければならない決まりがあるのだが、不思議なことにいないのだ。


アピスやフォルミーカにはたくさんいるのに。


フィーネさんだって26だし、ヨースケは23だし、ギルに至っては20だし。


モヒカンのラガーでさえ28だ。


さっき初めて話したけど、彼は42くらいなのかと思った。


驚くほど彼は老け顔である。


最後は、シロさんはきっとアルが好きなんだと思う。


彼女を見る時だけ、何かが違うのだ。


うまく言えれないけど、漠然とした何かが。


だけどアルにはジルいるし、シロさんにあんな扱いをされている私が彼を応援するのも癪だ。


てことで、このことは黙っておこう。


私はそう思いながら眠りについたのだった。

< 76 / 294 >

この作品をシェア

pagetop