天を衝く槍
シロさんが食堂のドアを開けると、ジルやギルたちがクラッカーを鳴らして、彼の誕生日を祝った。
彼は照れくさそうにしながらも、プレゼントを受け取り、ケーキの上に立てられた22本のローソクを消していた。
―—22歳なんだ…
てっきり私より年下なのだと思っていた。
……なんかあどけない感じがするっていうか。
年の割にそんなに老けてないっていうか。
背が思ったより低いっていうか。
……って、こんなこと失礼か。
なんて思ったその後は、はしゃいで飲んで食べて、はしゃいで飲んで食べて…の繰り返しだった。
そして今回の誕生日パーティーで気づいたことが4つ。
1つ目はさっき言ったように、シロさんが22歳だったこと。
2つ目はジルが来月の31日でシロさんと同じように22になること。
そして実は、セルペンテには40代の人がいないのだ。
注射したから50歳まではここで働かなければならない決まりがあるのだが、不思議なことにいないのだ。
アピスやフォルミーカにはたくさんいるのに。
フィーネさんだって26だし、ヨースケは23だし、ギルに至っては20だし。
モヒカンのラガーでさえ28だ。
さっき初めて話したけど、彼は42くらいなのかと思った。
驚くほど彼は老け顔である。
最後は、シロさんはきっとアルが好きなんだと思う。
彼女を見る時だけ、何かが違うのだ。
うまく言えれないけど、漠然とした何かが。
だけどアルにはジルいるし、シロさんにあんな扱いをされている私が彼を応援するのも癪だ。
てことで、このことは黙っておこう。
私はそう思いながら眠りについたのだった。