天を衝く槍
7.チヤク

そういえば任務に出れるようになった私は、これまでヨースケに教えてもらった時間がフツーのプライベート時間になった。


私は火曜日に、アルは月曜日に任務があることが漸く最近になって分かった。


そして私が任務に出ない時は、午前中はいつも組手やら何やら体が鈍らないように誰かと手合せをして、午後になると図書館に行く。


流石に一人で自室にいるっていうのはちょっと気が滅入るし。


ここにいると、リャノとかラガーとかと話せるし。


ラガーは話してみると意外と面白い人だった。


だけど彼が言うことは、冗談なのか本気で言っているのか、よく分からない。


冗談だと思っていても彼の目は笑ってない時があるし、本気だと思っていたら目が笑ってた時があったし。


まぁ、そんなことは置いといて。


私は西日が当たる、窓際のお気に入りの席で窓の外をぼんやり見ていると、突然、頭をポンと何かで軽く叩かれた。


「ミーティング」


そんなそっけない言葉と共に。


振り返ると、そこにはシロさんが居た。


無表情なままの切れ目が立っている。


「15時から」


彼は手に持っている任務の資料を私に渡して、そう言い、踵を返した。


「はぁ…」


残された私はポカンとして彼の背中をずっと見ていた。


「………はっ」


ふと我に返って時計を見ると15時の15分くらい前だった。


任務が入ってない日でも、今のように急遽、任務が入ることがあるけど。


たぶん今日のは昨日、腹を壊したジルとアルの穴埋めかな。

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