あたしの旦那は保健医です!?
夕食を杏の部屋へ持って行く。
「杏、夕食持ってきたから食べな」
「んー」
杏は起き上がって食べ始めた。
「美味い?」
「うん、すごくおいしいよ」
「そう。
あのさ、杏。
昨日のことなんだけど……」
「ごめんなさい!!!」
杏は頭を下げて謝った。
「心配かけてごめんなさい。
風邪ひいてごめんなさい。
本当にごめんなさい」
「杏、どれだけ心配したと思ってんの?
榊なんて俺に電話して、警察にも電話しようとしてたんだよ!」
「うぅ…、ごめんなさい。
迷惑かけてごめんなさい。
ごめんなさい、ごめんなさっ…」
「もう、いいから。」
涼が言葉を遮った。
「杏は理由もなしにそういうことする子じゃないだろ?
理由教えて?」
「……矢野にバレた」
「うん、それで?」
「それで……、矢野から、涼のわ、るぐちいわ、れた」
涙が出てきて上手く喋れない。
「うん」
涼はあたしの頭を撫でている。
「涼、迷惑かけちゃってごめん」
「迷惑じゃないから」
「涼……。」
「話してくれてありがと。
ほら、もう寝て。
泣くと熱上がるよ」
涼は優しくそう言って、部屋から出て行った。
本当はもっと言いたいことがあるんです。
『あたしのことどう思ってる?』
って。