あたしの旦那は保健医です!?
買い物を済ませ杏の場所へ戻ると、
杏は外人さんに腕を絡ませられて引っ張り合っていた。
「おい、お前」
「あ、涼だ!」
『彼氏ですか?』
「そうだよ、こいつは俺のだから離れろ」
『仕方ないですね、杏、バイバイ』
チュッ…
唇に軽くキス。
涼をチラッと見ると恐ろしい表情でさっきの外人さんを睨んでいた。
「り、りょう…、あの、助けてくれて……ひゃぁっっ!!」
いきなり腕を引っ張るからびっくりした。
涼はあまり人気のない所まであたしを連れてくると、あたしをまっすぐ見てキス……。
「ンンッ、、」
「油断も隙もあったもんじゃねぇな」
「涼?」
「ったく、ナンパされてんなよ」
「ご、ごめん」
「………」
「だ、だってね、話しても腕離してくれなかったの!」
「………」
涼は無言のままだ。
「涼、ごめんなさい」
あたしは海じゃないしょっぱいものの味がした。
「泣くなよ、杏…」
「りょぉぉぉ」
「わかってるよ、杏が言ってもあの外人は全く聞く耳持たずだったことなんて」
「うん…」
「はぁぁぁー。
ごめん。
これ俺の嫉妬だから。
ってか、見知らぬ外人へのヤキモチだから」
「へ?」
「だからー、、
杏は悪くないっつーの」
涼は照れながらも誤解を解いてくれた。
あたしはすごく嬉しくて。
「杏、こっち向いて。
さっきの消毒してあげるから」
消毒の意味がよくわからなかったけど、涼を見たくて言われた方向を向いた。