あたしの旦那は保健医です!?
パーティー
今日はさっきから涼とお母様が何やら相談をしている。
部屋にはお父様と2人っきり…
「杏ちゃん、楽しかったかい?」
「あ、はいっ!
すごく楽しかったです。」
「そうか、良かった、良かった」
やっぱり涼と似てるなぁ。
「涼は優しいかい?
意地悪でしょ?」
「あ、いや、えっとー…」
「はははっ笑
涼はねー、昔から手のかからない子でねぇ。
ほら、僕達はいろんな国を回るだろ?
だから、寂しいのに寂しいなんて一言も言わなくてね」
「あ、榊さんからそのことは少し聞きました。
涼は昔から大人びていたと。
でも、夜は寂しくて泣いていたそうですよ」
「そうかー…」
お父様は下を向いた。
「涼のことよろしくね、杏ちゃん」
「え、それはあたしのセリフです!」
「ん?」
「あたしはお母さんを亡くして、独りぼっちでした。
でも、涼のおかげで立ち直れたんです。
涼があたしに優しくしてくれたから。
だから、あたしは涼に感謝で一杯なんです。
涼を産んで育ててくれてありがとうございます」
お父様は何も言わずに微笑んで涙を拭った。