あたしの旦那は保健医です!?
放課後
あたしは西階段前のA準備室に行った。
そこには、矢野が窓際に座っていた。
「矢野、話しって何?
あたし何かやったかな?」
「海藤涼先生」
あたしはびっくりして目を大きくした。
でも、バレてはいけない。
涼に迷惑をかけちゃうから。
「ほ、保健の先生がどうしたの?」
「はっ笑
しらばっくれるのもいい加減にしよ、杏」
「な、なんのこと?」
「杏って『海藤』っていう人の家に住んでんだよな?」
「そうだよ、海藤茜っていう女性の家だよ!!!」
「だったらなんで、この前、あの保健医の車から降りてきたんだよ?
杏と同じ家に入ってっただろうが」
「そ、それは見間違えじゃ?」
「俺、そんとき母さんに頼まれて、隣町の杏の家の近くのスーパーに行ったんだよ。
帰り道で杏を見たんだよ。」
「あたしじゃないかもしれないじゃん!」
「俺はそう信じたかったんだよ、見間違えだって信じたかった。」
「うん」
「でも、今日さ、俺本当は保健室行ったんだよ。
そこでお前の声を聞いたんだよ。
保健医を名前で呼んでたお前の声で体が動かなかったよ」
「う、でも矢野!
間違いあるかもしんないって!」
「俺は好きな女の声ならわかるんだよ」
え?