ブラック王子に狙われて②
Ⅰ 俺の女に手を出すな!
・初恋は蜜の味
2年に進級した俺と絢。
始業式の翌日。
絢を自宅へ送り届けて、玄関先で。
「絢、これからは毎日一緒に帰れない」
「えっ?」
「俺、特進クラスだから1時間多く授業がある日が…」
「……週何回?」
「3回」
「何曜日?」
「月水金」
「そっかぁ…」
「悪い」
「慧くんのせいじゃないよ」
「帰れる日は一緒に帰るから」
「うん」
「ごめんな」
「ううん」
少し寂しそうな顔をした絢。
出来る事なら俺だって一緒に帰りたい。
けれど、こればかりは……。
絢をギュッと抱きしめ、おでこにキスを。
「じゃあ、また明日な?」
「うん、気をつけて」
「あぁ」
俺は絢の自宅を後にした。
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