ブラック王子に狙われて②
「ゆずとユウくんもそうだし、私も着るから、慧くんも浴衣着てっ//////」
「浴衣?」
「うん……ダメ?」
ダメなわけねぇだろ。
ってか、好きな女からの『ダメ?』は
無条件、ノーカウントでOKなんだってば。
そんな風に不安そうに小首を傾げられたら、
押し倒したくなるだろうがっ……。
「いいよ」
「ホント?!」
「ん」
「絶対だからね?!」
「しつけぇぞ」
「っ……」
余程嬉しいのか、両手を握りしめて満面の笑顔。
その顔、反則。
めちゃくちゃ可愛い。
ってか、浴衣着るくらいなら
お願いごと券使わなくたって
頼まれたら着てやるのに。
俺が拒否るとでも思ったんだろうな。
絢のお願いごとなら、
いつだってなんだって聞いてやるのに。
「けど、俺の浴衣、まだあったかな……?」
「あ、それなら大丈夫!」
「あ?」
「さっき、慧くんママに頼んだから」
「え」
「明日、お店に連れて行くって言ってたし」
「………」
いつの間に。
でもまぁ、その方がいいか。
結構身長伸びたし、前の浴衣じゃ合わなそう。