ブラック王子に狙われて②


目的地のある駅に到着し、下車したはいいが、

やっぱり結構混んでて。


「慧くん、混んでるけど、平気?」

「絢がいれば」

「っ//////」


コイツさえ、隣りにいてくれたら

どんなに混んでても結構平気だという事が

沖縄旅行の時に実証された。


「あ、ユウ達、あそこにいる」

「どこ?」


身長が高い分、俺の方が見つけやすい。

俺が手を上げると、ユウがそれに気づいて手を振り返す。

ユウ達と再合流して、駅構内の階段をゆっくりと上がって。


お祭り会場までの1キロくらいの距離に

物凄い数の屋台が並んでて。

ユウ達と一緒に歩きながら屋台巡りをして……。


「慧くん、ちょっと待ってね」


フゥ~フゥ~と冷ましてくれたたこ焼きを


「はい、あ~ん」


頼んでもいないのに、絢は俺の口にたこ焼きを運んでくれる。

たこ焼きを冷ましてる顔も、『あ~ん』と上目遣いなのも

めちゃくちゃ可愛すぎる~~っっっっ!

俺、絶対、目尻が下がりっぱなしだと思う。


隣りにいるユウを見たら、

ゆずちゃんの手についたソースを指ごと舐めてるし……。

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