ブラック王子に狙われて②
だけど、ちょっとだけ。
ほんの僅かなんだけど、
これって、心の中をはぐらかす為の言葉なんじゃないか?
だなんて、勝手に脳が自動変換しちゃうんだよね。
もしかして、私に言えないことでもあるんじゃないかと。
いつだって澄ました顔して余裕そうにしてるけど
彼が何を考えているのか、本当のところはよく分からない。
だから、彼の本当の心の内を覗いてみたいと思ってしまう。
「隠し事したら……」
「したら?」
「もう……触らせて、あげないよ?」
「っ?!……へぇ~、俺を脅すんだ」
「かっ、彼女として、当たり前の権利だと思うけど?」
「フッ、……まぁ、絢にしては珍しく正論だな」
「っ//////」
ん??……え?
今、何気に馬鹿にされてない?……私。
優しく頭を撫でられて、その前の言葉が霞んでゆく。
チュッとおでこにキスを落とした彼は、
私の体を支えるように起こし上げ、胡坐を掻いた。
「あのな?」
「……ん」
何やら言葉を選びつつ、彼は口を開いた。