ブラック王子に狙われて②
「このところの絢の成績を加味して、残りの1年ちょいで、どれくらい成績が伸びるかな?とか。後は、絢の得意なものを活かすには、どういう資格がいいかな?とか、まぁ、俺なりにシュミレーションしてて」
「えぇっ?!」
「とりあえず、クラス順位云々でなくて、センター試験の点数をある程度想定して、そこから逆算してどれくらいのペースで仕上げたらいいかな?とか。まぁ、そんなとこ?」
「………」
全くもって、意味わかんない。
ってか、うちらまだ高校2年なんだけど。
もうセンター試験の点数とか考えてるの?!
あーもうっ、本当にこの人は、どういう頭してんのよっ!
「慧くん」
「ん?」
「私、そんなに高望みしてないし、そこそこの大学とか行けたらそれでいいから」
「あ゛ぁ?」
あ、ヤバい。
ブチ切れスイッチ押したっぽい。
片眉がピクリと動いた。
「絢は俺と同じ大学行きたくねぇかよ」
「っ……、そりゃあ、行きたいけど。行ける気がしないっていうか、行ける次元ではないというか」
「だから?」
完全にブチ切れスイッチONモードだ、これ。
だって、眉間にめっちゃ深いしわが刻まれてる……。