ブラック王子に狙われて②
彼にご褒美券をあげるだなんて、
かなり危険な選択だと思うけど。
でもやっぱり。
私の成績が上がったのは、
紛れもなく、彼が懇切丁寧に教えてくれたお陰だから。
それに、彼がする『おねだり』が気になる。
どうせ、アブナイ方向だと思うけど。
それでも、彼の脳内を少しでも知りたいから。
私の全てを知ってる彼。
恥ずかしさは未だにあるけど、
だからこそ、何も隠したくないから。
彼の前では、常にありのままでいたい。
「どんなことでも叶えてくれるのか?」
「う~ん、出来る範囲で善処しますっ/////」
「なら、1つしかない」
「えっ?……もう決まったの?」
「ん」
早っ。
そんなあっさり決めていいの?
1つしか無いのに……。
私なんて、6個も持ってても
ず――――っと悩んでたのに。
「どんなこと?」
「今は言えない」
「え?」
「言いたくなったら言う」
「………分かった」
口の端を緩やかに持ち上げ、
怪しい光を宿した瞳は、
物凄いあくどいことを考えているのか。
背筋が凍りそうな感覚に陥る。
言わなきゃよかったかな……。