ブラック王子に狙われて②
「慧くんっ」
「ん?」
「ご褒美券、もう1個使っていい?」
「今?」
「今というか、いつでもいいんだけどね」
「……ん、言ってみ?」
彼のコートの中で顔を持ち上げる。
「慧くんが使ってる香水、私も欲しいっ」
「は?……絢が付けるの?メンズもんだけど」
「うん、メンズものでも何でもいいんだけど、慧くんと同じのが欲しいのっ//////」
「別に構わないけど、何に使うの?俺、絢のこの匂い好きなんだけど」
「え?んっ//////」
やだっ//////
彼が首元に顔を埋めた。
周りに人がいるんだから、じっとしててよっ//////
香水は、自分に使うんじゃなくて。
枕とか布団カバーとか、お気に入りのぬいぐるみに付けたいの。
それなら、いつでも慧くんの香りに包まれるじゃない。
ゆずから教わった。
ゆずは、自分で好きな香水をユウくんにプレゼントして使わせてるみたいで。
だから、自身でも同じものを自宅で使ってる。
それからヒントを得て、今に至る。
「そろそろ終わる頃だから、絢の分も買っとく」
「ありがとっ/////」