ブラック王子に狙われて②
両親には既に報告済みで。
『神宮寺家が許可したら』という事になってる。
慧くんのご両親がいる家でどうにかなるとは思えないから
うちの両親も安心しきってるみたい。
お互いの両親が凄く仲が良くて、
沖縄旅行を機に、さらに仲が深まったみたいで。
何かにつけて『神宮寺家』というワードが出て来る。
要するに、彼のご両親に嫌われないようにしなさい!という事なんだと思うけど。
「やっぱり……ダメ?」
「えっ、あ、……いや、ダメじゃないけど……」
「けど?……無理ってこと?」
「あ、いや、ん~ッ……」
彼を困らせてしまった。
だって、完全に視線が泳いでる。
どこに視点を置いたらいいのか分からず、
今もなお視線が放浪してる。
「ごめんねっ、無理言って……」
「あ、いや、めっちゃ嬉しんだけど。親に聞いてみないと」
「うん、それは重々承知してる」
「じゃあ、親から許可が出たらって事でいい?」
「うんっ、もちろん//////」
やったぁ!
第一関門突破!!
明日、慧くんママにおねだりしなきゃ。