ブラック王子に狙われて②
・クリスマスは特別な1日
終業式の日。
久しぶりに絢とデートを楽しみ、
18時くらいに送り届けようと彼女の家に向かっていた、その時。
彼女から超特大の爆弾が投下された。
『慧くんちに……泊まりに行ってもいい?』
一瞬、何語なのかも分からなくなるほど
俺の脳細胞が活動を放棄してしまって。
壊れたおもちゃみたいに何度もリピートして……。
漸く我に返って理解出来たのは、多分数十秒後だと思う。
『やっぱり……ダメ?』
ダメなわけがない。
ってか、大好きな子からの『ダメ』はノーカウントでOKだから。
それが、どんなお願いごとでも。
『別れる』という選択肢以外であれば。
絢は親に許可を取ったんだろうか?
まぁ、俺におねだりするくらいだから
恐らく、親には伝えてあるとは思うけど。
ってことは、俺の両親にも筒抜けなんじゃね?
俺らの両親、相当仲いいから。
だって、この間なんて……。
うちの両親から絢へのクリスマスプレゼント何にしようかという話題で
『そう言えば、実那ちゃん(絢の母親)が下着のサイズが急にアップしてるって言ってたから、可愛いセットにでもしようかしら?』
と、父親がいるにも関わらず、
デリカシーの欠片も無い発言がポンポンと出て来るわで……。
正直焦りまくりだったんだけど……俺。