ブラック王子に狙われて②
「親父の会社は兄貴が継ぐことになってて。俺自体は特に親からの制限受けてないし」
「……ん」
「どこかに勤めるとか、職人みたいな仕事に就くとか、俺的にはちょっと無理というか」
「………」
「こういう性格だからというのもあるけど。結構前から考えてて」
「……ん」
「昨日のお願いごと券、今使わせて貰うな?」
「えっ……?」
「起業するのを手伝って欲しい」
「は?」
「だから、俺の仕事をサポートして欲しいって言ってんのッ」
「………え、無理だよ」
「何で?」
「私、頭良くないし。授業だけでも手一杯なのに、起業をサポートとか、無理むり」
やっぱり速攻で拒否って来た。
まぁ、予想はしてたけど。
「今まで、俺が教えて来た事、ちゃんと理解出来てるし。そもそも、絢は結構要領いいから、特段に苦労はしてないんだけど」
「え?」
「呑み込み部分に少し時間がかかるけど、一度覚えたら後は難なくクリア出来るから。俺の見立てに間違いない」
「っ……」
「それに、絢以外、俺に付き合える相棒いないと思うから」
「っ//////」