ブラック王子に狙われて②


不安になる気持ちは分からなくもない。

まだ高2だし、夢だって探索中だし。

だけど、だからこそ、今のうちに指標を立てておきたくて。


俺はソファーから腰を上げ、そのまま彼女の前に膝をついた。


「正式なのは、会社が軌道に乗ったらするつもりだけど」

「………」

「今時点で言えることは1つだから」

「………」

「1度しか言わないから、よく聞け?」

「っ……」


絢はごくりと生唾を飲み込んだ。


「ちゃんと将来のことを考えて起業するつもりだから。だから、黙って俺について来て欲しい」

「っ//////」


伝わったか?

『好き』も『愛してる』も口にせず、

『プロポーズ』をしたんだけど……。


完全に固まってしまった。

電源が落ちたスマホみたいに、全く反応が無い。


「おいっ、絢?……絢?聞こえてるか?」

「………ん、聞こえてる」


ボソッと呟いた彼女は、ゆっくりと視線を持ち上げた。


「今のは………その、プ……ロ、ポーズなのっ?/////」

「ん~……正式なのは軌道に乗ったらするつもりだから、予行練習みたいなもん?」

「っ///////」

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