ブラック王子に狙われて②
顔を真っ赤に染め上げ、瞳に涙が浮かんでる。
反応がどうであれ、ちゃんと伝わったらしい。
「返事はすぐにじゃなくていいから」
「っ//////」
高2でプロポーズとか、ありえないし。
そもそも、今すぐ結婚したいわけじゃない。
将来を考えて、起業したいと決めた俺は、
それのために進むべき道を既に決めている。
その方向性に、目の前のコイツがいないことには
俺のやる気が出ないというか。
成功しそうにないから……。
「慧くんっ……」
「ん?」
「世の中、もっと可愛い子もいるし、綺麗な人も沢山いるし。頭のいい人だってごまんといるし。私なんかがサポートしなくても、慧くんなら、絶対成功すると思うんだけど」
「どうだろ。……会社立ち上げるのって、そんなに簡単なことじゃないと思う」
「そ、それはそうかもだけど」
「一応、設立資金はだいぶ前から貯めてるし、既に企画書とか手続きもそれなりに始めてるから」
「え゛ぇっ?!!!」
「絶対、絢を不安にさせたりしない。黙ってついて来てくれるだけでいいから」
俺の傍にさえいてくれればいい。
俺のやる気が出るように。