ブラック王子に狙われて②
Ⅷ 将来設計
・漸く気付いた、透明な道
3年に進級した。
3学期の中間試験は最高得点3教科と満点1教科で
恒例のご褒美券4個ゲット出来たけど、
クラス順位は2位のまま。
リベンジとばかりに、期末試験を死ぬ気で頑張ったけど
結果、順位は変わらず。
それでも、最高得点や満点の科目があって
慧くんも両親も褒めてくれたけど……。
正直、内心は悔しくて仕方ない。
いつからだろう?
結果に満足できなくなったのは……。
慧くんに勉強を教わるようになって1年以上経つけど、
こんなにも勉強が楽しいと思えたり、
結果に満足出来なくて、
次の試験が待ち遠しいだなんて思いもしなくて。
きっと、これも慧マジックなのかもしれない。
脳内が、完全に慧くん仕様になったようだ。
特進クラスの慧くんは更に授業内容が難しくなったようで
慧くんの部屋の机の上には、
見たこともないような書籍が山積みされてる。
そして、普通科の私の手元にも提出を求められているモノがある。
『進路希望調査』と書かれた紙だ。
4か月ほど前に慧くんから言われた、あの件。
『進学先決めるまでの間に返事貰える?』
もっとずっと先だと思っていたけど、
そろそろちゃんとしっかりと答えを出さないといけないようだ。