ブラック王子に狙われて②
完全に固まってる絢。
無理もない。
国公立の大学を口にしても、
たぶん固まるだろうとは思ってたけど。
その想像を遥かに飛び越えたワードだもんな。
「絢のスキルと俺の目指してるものとを考えた結果なんだけど」
「留学って、……海外ってこと、……だよね?」
「ん」
「私、……慧くんみたいに頭良くないよ??」
「いや、既に十分、基礎部分は構築されてるから、結構レベルの高いとこでも受かるはず」
「え、何で、そんな簡単に言えるの?」
「留学するとなると、英語のスキルが最低条件になるから。絢、その点に於いて問題ないだろ」
「っ?!!……ホントに?」
「ん」
確かに、同じ大学に通うようになっても、
多少専攻科目が分かれるのは想定内。
「絢はさ、グローバル関連の秘書に必須な専攻して貰えれば」
「???」
「心配すんなって。詳しいことは、追々話すから」
「……」
完全にパニクってる。
まぁ、仕方ないんだけど。
それでも、一歩、いやだいぶ進めたから、マジで嬉しい。
「ありがとな、絢」
ポンポンと優しく頭を撫でると、
照れた表情をしながら抱きついて来た。