ブラック王子に狙われて②
「まだ決めてないというか、何を専攻したらいいのかすら分からないけど」
「けど?……けど、何だよ」
ほら、まただ。
私が色よい返事をしないから
イラっと来るのは分かるんだけど。
そんな風に威圧されたら、考えたくても委縮しちゃうよ。
「慧くんの希望してる大学に、私もちゃんと受かるか分からないし」
「それは大丈夫」
「っ……、何で言い切れるの?」
「一昨年からちゃんと下準備してるから」
「下準備?」
「ん、……心配すんな。お前の将来を無駄にするようなことはさせないから」
「っ//////」
そうやって甘いセリフ囁いたら、
私が顔を縦に振るとでも思ってるのかな?
「私、自信が無いんだけど」
「何の自信?海外で生活すること?それとも、海外の大学に進学すること?……それとも、俺について来ること?」
「……全部」
「……はぁ」
あ、盛大な溜息吐いたよ。
そりゃあ、あんだけ覚悟して将来のことを話してくれたわけだから
慧くんの将来のビジョンは理解してるつもりだよ。
だけどさ、そのしっかりと練られたビジョンに
私が足手纏いになったら?と思うと怖くて。