ブラック王子に狙われて②
中間試験の結果を手土産に
土曜日の夜に両家で顔合わせ的な食事をした。
しょっちゅう顔を合わせてる絢の両親であっても、
やっぱり正式にとなると緊張した。
だけど、俺の予想を反して、
絢の両親は至って好意的というか、
一人娘なのに、結構柔軟な考えの家庭のようで。
留学の件も、その先の起業の件に関しても。
そして、それらを踏まえた将来のことに関しても、
一つ返事で快諾してくれた。
あ、たった一つの条件を提示して。
『娘を決して裏切らない』という約束。
もちろん、それを受け入れた。
というより、俺の方が『決して見限らない』と約束して欲しいくらいだ。
「慧くんっ、この公式使ったんだけど、答えがこれで合ってる?」
「……あ?あっ、どれどれ……?」
最大の難関を突破した俺は、
苦手な数学を必死に取り組んでる絢に見惚れていた。
だって、髪をアップしてる彼女があまりに色気があって。
「ん、合ってる。ってか、何これ。何で同じ計算何度もしてんの?」
「だって、合ってるか不安で……」
相変わらず、自信が無いらしい。
苦手なのは分かるけど、もう少し自信持てよな。