ブラック王子に狙われて②
「大学行きたいんじゃないの?」
「………うん」
「彼氏に教わってるみたいけど、特進クラスなんだろ?」
「………うん」
「彼氏だって、自分の勉強があるだろ」
「………ん」
分かってるよ、そんなこと。
学年トップだし、全国模試でも常に上位だし。
私なんかに割いてる時間が惜しいことくらい。
だけど、逢いたいんだもん。
科が違うから棟自体も違うし、
接点なんて無理やり作らなきゃ
学校での接点なんて皆無だってことも。
「絢は基本さえおさえれば、直ぐに成績上がるはず」
「っ……」
それは慧くんも言ってた。
概念?基礎?になる土台部分が理解出来たら
あとはちゃんと当てはめて解くのは問題ないって、
いつも優しく諭される。
「俺、教育学部専攻だから、俺の為にも、な?」
「……な?って言われても……」
そりゃあ、成績は上げたいよ。
将来のことはまだ何も考えてないけど
大学か専門学校には行きたいと思ってるし。