ブラック王子に狙われて②
「3年生に進級してから今日までに、……何人の人から告白された?」
「は?………いきなり、何?」
「いいから、答えてよ」
「………6人くらい?」
「ろっ……く、人……」
「絢だって、この間告られてたじゃん。それにアイツもカウントしたら、俺より多いだろ」
「やっくんはカウントするうちにも入らないよ」
「っ……、絢さぁ……その、『やっくん』っての、やめねぇ?」
「え?」
「俺が、『みーちゃん』とか『のんちゃん』とか口にしたら、やじゃね?」
「ッ?!やだよっ」
「俺だって、やなんだってばっ」
「………あ、うん」
「分かれば、よろしい」
片眉がぴくっと上がっていた彼が、
優しく頭を撫でてくれた。
そう言われればそうかも。
うん、そうだよね。
「慧くん」
「ん?」
「絢の夏休み丸ごと慧くんにあげるから、慧くんの夏休み、絢にちょーだいね?!」
「っ/////……何、それ//////」
「1日たりとも、他の子の予定を入れないように完全予約しとこうと思って」
「//////」
口元を手で覆った彼。
照れたようで、あからさまに視線を逸らした。
そんな彼の頬にチュッとキスして。
「んッ?!//////」
どこの誰だか知らないけど。
1秒たりとも貸したりしないんだからっっっ!!