ブラック王子に狙われて②
「俺が、……18歳になったら、プロポーズするからって言っただろ」
「っ……?!………覚えてない」
「嘘だ」
「嘘じゃない」
「俺、……明後日、誕生日だから」
「っ……、やっく……保尚くん、痛いから離して」
「は?……何でわざわざ言い換えしてんの?棘がある言い方だな」
「恋人でもないし、ただの幼馴染で同級生ってだけなんだから、別におかしくないでしょっ」
絢は俺との約束をちゃんと守ってくれている。
俺が目の前にいなくても。
「明後日」
「………」
「俺、……絢にプロポ「悪いな、そこまでにしてくれる?」」
「ッ?!けっ、慧くんっ」
「離せよっ!」
「お前が先に離せ。……絢が嫌がってんだろっ」
佐伯が絢の手首を掴んで熱弁しているのを止めた。
ってか、耳が腐るっての。
あれ以上聞いてたら。
さすがの俺も、自分の彼女が
言い寄られてるのを見届けれるほど鬼畜じゃない。
しかも、プロポーズします!予告って、意味わかんねぇ。
佐伯が絢の手首を掴んでいるから、
俺はその佐伯の手首を掴んで、鋭い視線を浴びせる。