ブラック王子に狙われて②


「いいじゃない、もう少し成績が上がるまで……とかにすれば」

「うっ…ん~ッ…」


ママは私の成績を上げたがってる。

それは分かってるんだけど。


「週何回?」

「おっ、やる気になったか?」

「べ、別にそんなんじゃ……」

「慧くんが月水金が遅帰りって言ってたから、月水金の予定の合う日でどう?」

「月水金………」


慧くんの授業が1時間多い日。

それなら、問題ないかな……?


慧くんに逢える日が減るのは嫌だもん。

それじゃなくても学校で逢えないのに。


「……分かった」

「おっ、よし、決まりな!」

「でもっ、成績が上がったら終わりだからね!!」

「おぅ!」


たっちゃんは楽しそうに早速手帳を開き始めた。

勉強………。

自分の脳みそが恨めしい。


「じゃあ、早速今日からな?」

「うっ……ん…」


次の試験で成績を上げて

慧くんにいっぱい褒めて貰おうっと。

そしたら、いっぱい撫でなでもぎゅーもして貰うんだから。

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