ブラック王子に狙われて②


「どうして、イギリスなの?」


ママさんがお風呂に入ってる間に暫しの逢瀬をしている私達。

私に割り当てられた部屋に来た彼が、

私のベッドに腰掛けて、私の顔をまじまじと見つめる。


「英語と言っても色んなタイプの英語があるだろ。日本語だって、関西や九州、沖縄や東北みたいに、それぞれの文化も込みで色んな形づいてるじゃん」

「……ん」

「日本で言ったら、イギリス英語は標準語みたいなもので、今後アメリカとかカナダとかに言っても、イギリス英語さえ出来てれば通じるから」

「そうなんだっ!」

「それに、英語圏の中では比較的治安もいいし、欧州文化も同時に学べるし、欧州の人達はプレゼン力が高いから、生活を共にしてたら必然的にプレゼン力も培われる」

「………」

「まぁ、早い話、一番妥当だってことだよ」

「……ん」


難しすぎて呑み込めない。

だって、そんな先の先まで考えられる脳みそ持ち合わせてないよ。

やっぱり、慧くんの脳は異次元すぎる。


「話、もういい?」

「え?……あ、うん」

「じゃあ、俺の欲求満たして」

「っんッ//////」


隣りに座る彼が腕を掴んで抱き寄せた。

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