ブラック王子に狙われて②


GWがあっという間に終わってしまった。


人混みが大嫌いな彼氏を持つと

どこどこ行きたいとは言いづらい。

だけど、そんな彼でも少しは譲歩してくれて。

映画館と公園ピクニックはして貰えた。

残りはお互いの家を行き来しただけだけど。


別にどこかに行きたい!という所があるわけじゃない。

目の前に、隣りに、手の届く場所に

彼がいてくれれば、それでいい。


あんなハイスぺ男子の王子様が彼氏なんだもん。

高望みしたら罰が当たる。


ペアリングを毎日着けてくれてるし

頻繁に朝、迎えに来てくれるし。

一緒に帰れる日は、男友達との約束より優先してくれる。

だから、文句は言わない。


「絢、達則くん、1時間くらい遅れるって」

「そうなんだ」

「予習復習でもしときなさい、中間テスト近いんだから」

「ぅっ……」


今月末にある中間テスト。

去年に比べたらだいぶ成績も上がってるんだけど

慧くんに比べたら全然。

中の上くらいじゃねぇ……。

彼の彼女として威厳を保つためにも頑張らないと。


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