ブラック王子に狙われて②
バレバレなのは自覚してる。
だって、今にも声に出てしまいそうだもん。
「日本出発する時に言っただろ」
「……ん」
「俺は突き進むしか出来ないけど、ペースダウンして欲しい時はちゃんと言えって」
「……うん」
「辛くなったりしんどくなったら、限界になる前に言って?」
「……はい」
「絢を無視するような真似はしないから」
「…ん」
「だから、俺を信じてついて来て」
「……はい」
彼はいつだって先の先まで見つめてる。
私が追い付いていけなくて、足踏みしてるだけだ。
彼の夢を壊そうとか、無視しようだなんて思ってない。
今の私に、彼を追う自信が足りないだけ。
「日本帰ったらさ」
「ん?」
「結納……しようか」
「へ?」
「とりあえず、形だけでも安心材料になるだろうし」
「っ……」
「それに」
「??」
「俺が、絢を必要としてるから」
「っ/////」
「俺以外の男が簡単に近づけないようにしたい」
「////////////」
もうっ、やだっ//////
そんなこと言われたら、不安の『ふ』の字も吹き飛んじゃうよ。