ブラック王子に狙われて②
・浮気すんなっ!
あっという間に夏休みが終わり、2学期がスタートした。
それと同時に進学先の大学へ直接申請して……。
勿論、絢も一緒に。
結構高めの偏差値の大学という事もあり、
絢の学力の最終仕上げもしつつ。
だが、それらはそれほど重要じゃない。
だって、俺の中ではとうにクリア出来るレベルに到達してる。
手元に実物の結果が無いだけで、
今の絢なら、有名国立大学でも優に受かるレベル。
元々、呑み込みが悪いだけで、質はかなり高めだった。
俺らが通う高校は都内でも偏差値が結構高めで、
普通科でも、それなりの偏差値はある。
だから、特段に苦労したというほどではない。
強いて言うなら、やる気を起こさせるのが大変だっただけで。
俺の目下の目標は、
目の前にいる彼女との結納を無事に済ませるという事だ。
いや、正確に言うと、結納が目的なんじゃない。
その先のことが不安で堪らなくて。
彼女の不安を1つでも多く取り除いてあげれば、
留学するにも、海外で生活することも、
親元を離れて、俺と生活するということにも安心出来て。
『やっぱり、やめたい』と言い出さないように。
ありとあらゆる手立てを施して、
万全の体勢を取りたいだけ。
じゃないと、これまでの努力が泡となってしまうから。