ブラック王子に狙われて②
机に向かって苦手な数学の練習問題を数問解いた所で
急に睡魔に襲われて来た……。
ダメダメ、起きないと………。
必死に目を見開いて、肩を回して努力してみたけれど
結局、睡魔に負けてしまった。
ん?
今何かが触れたような、刺されたような。
「おっ、起きたか?」
「あ、たっちゃん」
「すげぇ顔。でこにくっきり寝痕付いてんぞ」
「えっ、嘘っ!?」
鏡で確認すると、見事におでこに線が……。
「いつ来たの?」
「少し前」
「起こしてくれればよかったのに」
「起こしたよ。絢がぐっすり寝てて起きなかったんじゃん」
「え、……ごめん」
シャーペンの先で頭をツンツンされた。
あ、さっきの刺された感覚。
これ……だったのかな?
「テストの範囲ってどこら辺?この辺りか?」
机の上に置かれている教科書を眺め、
たっちゃんはペラペラと捲り始めた。