ブラック王子に狙われて②
11月上旬。
中間試験の結果も全て返却され、
絢は俺の予想通り、
クラス順位1位をキープしたまま、
念願の普通科1位になった。
それが飛び跳ねるくらい嬉しかったようで、
さっきから俺の腕にぎゅっと抱きつき、
キラッキラの瞳をした可愛い顔で見つめて来る。
ヤバいっ。
可愛すぎるっっっ!
それに、十分に育ったお胸様の自己主張がハンパない。
100点満点が3教科、最高得点が5教科。
それプラス、科の順位も上げたわけだから、
一気にご褒美券9個ゲットしたことになる。
「慧くんっ」
「ん?」
「ご褒美券、半分でいいよ」
「は?」
「だって、1位になれただけでも十分嬉しいから、最高得点の分は返却する」
「いいの?」
「うん。慧くんあっての結果だし」
「フッ、大人になったな」
「同じ年だよっ」
「知ってるよ」
「……それにね?」
「ん」
「結納したからかな。なんか、ちょっと、心に余裕ができたっぽい/////」
「……そっか」
よかった。
順調にことが運ばれてるようで。
彼女が後ろ向きになりさえしなければ、それでいい。