ブラック王子に狙われて②
12月上旬。
11月27日から行われた2学期の期末試験も終え、
全ての解答用紙が返却され、
今日、試験結果の順位が記されている用紙が配布された。
絢の自宅へと到着すると、
絢の母親がちょうど買い物に行くところだったようで。
「あっ、慧くん、いらっしゃい」
「こんにちは、お邪魔します」
「ただいま~」
「お夕飯、ハンバーグでもいい?」
「あ、はい。俺は何でも大丈夫です」
「絢、おかえり。じゃあ、行って来ま~す」
「いってらっしゃい」
最近、何故か、俺に話し掛けて来る。
別にだから何だっていうわけじゃないが。
俺の機嫌取りでもしてるのだろうか?
そんなことしなくたって、絢のことは大事にするのに。
「慧くん、ババロアとお団子、どっちがいい?」
「どっちでも」
玄関から一旦リビングへと上がり、
絢はキッチンで何やら物色中。
カウンター脇に置かれた彼女の鞄を手にして、
「先に部屋に行ってる」
「はぁ~い」
自分の家かと思うくらい、違和感がない。
絢をキッチンに残し、2階にある彼女の部屋へと。