ブラック王子に狙われて②
「特進科でも結構上位だよ、これ」
「えへへっ」
苦手な理数系の基礎が出来上がり、
応用部分もかなり理解して来た彼女。
俺が教えてても、結構ハッとさせられることもある。
「よく頑張ったな」
「//////」
優~しく、優~しく頭を撫でてやる。
これなら、絢の両親も安心出来るはず。
「そう言えば、慧くん、大学の試験結果来た?もう1か月以上経ったけど」
「そろそろじゃね?年末までには来ると思うけど」
「そうなんだぁ。それが来るまでは、クリスマス気分味わえないね」
「何で?」
「だって、不合格だったら、もう1校受けないとだし。のんびりできないでしょ」
「……受かってると思うけど」
「分かんないよ。ってか、慧くんは受かってるよ、絶対」
またマイナス思考になってんじゃん。
海外に出たら、常に前を向いていないとダメなのに。
アグレッシブなくらいがちょうどいいんだって。
それじゃなくても、日本人は自己主張が苦手なんだから。
「慧くん、ご褒美券を何に使うの?」
「知りたい?」
「うんっ!!」