ブラック王子に狙われて②


リビングに入ると、センターテーブルの上に

A4サイズの水色の封筒が置かれている。

それに駆け寄った絢は、隣りに用意されているハサミで開封する。

そんな彼女を、俺と絢の母親は無言で見つめて。


「キャァアアアアッ!!受かってるぅぅぅぅ~~ッ!!」

「絢っ、おめでと~っ!ママにも見せて~」


くりっとした大きな瞳にいっぱいの涙を浮かべ、

母親が目の前にいるのに、絢は俺に抱きついて来た。


「合格おめでとっ!よく頑張ったな」

「う゛ぅっっ……」


優しく頭を撫でる。

本当はキスの雨を降らしたいとこだけど。

さすがに母親がいる前では出来ない。

小さく何度も頷く絢。

もう涙腺崩壊してるっぽい。


「自分も、見ていいですか?」

「えぇ、もちろんっ!」


彼女の母親から結果が記された用紙を受け取り、

深呼吸して視線を落とした。


「えっ……」


俺の予想を遥かに超え、

絢の結果は大満足のものとなっている。


俺は、A*は1つあればいい方かと思っていた。

それと、Aが5つくらいで、残りはBとCかと思っていたら、

A*が2つ、Aが6つもあった。

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