ブラック王子に狙われて②
「ちなみに、……慧くんはどれくらいなの?」
「俺ですか?」
絢の母親に尋ねられ、母親が送って来た写メを見せる。
「うわぁっ!!さすがねぇ~♪」
「ママ、……慧くんと比べちゃダメだよっ」
「分かってるわよっ」
俺はA*が7つ、残りが全部Aランク。
だてに全国模試を常に5位内でキープしてるわけじゃない。
「慧くん、先に行くよ?」
「あ?……あ、ごめんっ」
試験結果の詳細が記されているものを見ていたら、
いつの間にか、お茶とおやつを手にした彼女が覗き込んで来た。
「ママ、ご馳走作るために買い物に行って来るわね?」
「うん、いってらっしゃい」
「お気をつけて」
さっきまでの挙動不審な絢はもういない。
今の彼女はルンルン、ハッピーなオーラを溢れ出してる。
そんな彼女を追うように2階へと上がる。
既に暖められた部屋。
大きな窓から、太陽の陽が差し込んで来る。
もふもふのラグの上に座ると、
床暖も付いているようで、暖かい。
「慧くんっ」
「ん?」
「ご褒美券、3つ使ってもいい?」
「3つ?……まぁ、いいけど」