ブラック王子に狙われて②


絢は膝の上に置いた指先を絡めて、視線を泳がせ始めた。

そんなに言い辛いことなんだろうか?


「カウントするぞ」

「えっ?!」

「い――――――ち」

「あっ……えぇっと……」

「に――――――い」

「う~んっ………」

「さ―――――「あのねっ!」


久しぶりにカウントしたけど、

別に3秒とは言ってない。

だけど、もう完全に体に記憶されてるんだろうな。

絢は3秒で答えを出して来た。


「大学に通うようになると、2人きりの生活がスタートするでしょ?」

「ん」

「一緒にいる時間が増えると、きっと嫌な所とかも見えると思うんだよね?」

「……で?」

「だから、例え喧嘩したとしても、その日のうちに解決しよう?」

「俺に謝れってとこ?」

「え、あっ、違う違うっ!私が悪ければちゃんと謝るし。そうじゃなくて、次の日に嫌な気分を持ち越したくなくて」

「あっ……ん」

「だからね?……浮気、本気?よく分からないけど、気持ちが変化してもちゃんと話し合いたいってことなんだけど」

「ん、……いいよ。ってか、それが普通じゃね?」

「そうなの?」

「それに、3年と言わず、俺はその先もずっと一緒にいるつもりだけど?」

「っ//////」


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