ブラック王子に狙われて②
・果たし状?
放課後。
絢の教室に迎えに行く。
「絢、帰るぞ」
「「「キャァァァアアァ!!!」」」
耳痛っ。
近くで鼓膜が破れそうなほど大声出すなって。
ってか、近すぎんだろっ。
離れろって。
「け、……慧、…くん」
ほら、……絢が近寄れねぇじゃん。
「ごめんね、俺ら帰るから」
「「「えぇぇぇぇ~~っ?!」」」
「また明日。気を付けて」
「「「カッコイイ~~~」」」
うぜぇ。
耳を劈く声が廊下中に響き渡る。
「ほら、行くぞ」
教室の入口で縮こまってる絢の手を掴んで
一目散にその場から離れる。
「何でボーっと突っ立ってたんだよっ」
「だって……あの子達掻き分けて近づけないよ」
「彼女なんだから堂々としてろ」
「でも……」
絢はいつになっても『自分は彼女に相応しくない』とか
要らぬことを延々と考えてんだよな。
こんなにも絢しか見てねぇってのに。
本人は全く気付いてねぇ。
「慧くん」
「ん?」
「勉強、大変?」
「ん~……そこそこ」
「そっか」