ブラック王子に狙われて②
「今後というか……、海外に行っても」
「……ん」
「今まで通りというか、これまで以上にというか……」
「はっきり言え」
「うっ……」
怖いこわい。
瞳の奥を読んでいるような視線。
心臓が飛び出しそうなくらい、暴れ出して。
選考試験の時並みに、緊張して来た。
ごくりと生唾をのみ込んで。
胡坐を掻いてる彼の脚の上に手を乗せた。
「毎日……」
「……毎日?」
「……うん」
「……ん?」
小首を捻る彼に近づき、唇の端に触れるだけのキスをした。
当然、彼は驚いて。
完全に硬直して私をじっと見つめてるんだけど。
「最近、……これっ、しない日もあるからっ//////」
「フッ。……していいの?」
「へ?」
「毎日は嫌かと思って、我慢してんだけど」
「っっっ//////」
「していいなら、遠慮なくする」
「//////」
脚の上に置いた手を掴まれ、彼へと引き寄せられた。
もう片方の手が後ろ首を捕らえ、顔を傾けた彼が近づいて来た。
これ以上は見てられないっ//////
熱の籠った視線を向けられ、圧倒された私はぎゅっと瞼を閉じた。