ブラック王子に狙われて②
「絢」
自分が座ってる横を叩いて彼女を呼び寄せる。
不思議そうな顔した彼女が隣りに腰を下ろした。
そんな彼女の襟を抓んで
中を覗くみたいにそっと広げた、次の瞬間。
ッ?!!!
何だ、これ……。
キスマークじゃん。
ってか、俺、こんなところに付けた覚えない。
そもそもここ数日、そういうことしてないし。
だとしたら、どうして付いてんだよッ!!
ってか、誰に付けられたんだよっ?!
いつ?
昨日??
俺の見間違いかと思い、何度も確認する。
……見間違いじゃないらしい。
「絢、これ、どうした?」
「え?……何かに刺されてるの?」
自分じゃ見えないところだって。
襟を掴んで見ようと首を振ってる彼女を見据え
怒り心頭なんですけど、……俺。
俺様の女に手を出した奴はどこのどいつだよッ!!
ってか、絢も絢だろっ!
こんなもん付けられてて気づかねぇとかありえねぇ。